デイリーレポート(2024年3月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場に株価上昇の動きとともに円売りが強まったこと、また日銀関係者からハト派な発言が聞かれたことも重なって年初来高値を上回ると一時151.97レベルの高値をつけました。しかし、151.95〜99には売りオーダーが残っていてその後は151円台後半の高値圏でのもみあいが続きました。欧州市場に入り、財務省、日銀、金融庁による三者会談開催されたことから反落、151.02レベルの安値をつけ、NY市場では151円台前半で若干底堅い動きとなりました。

ユーロドルは1.08台前半で閑散な取引が続き、終日レンジも28pipsに留まりました。イースター休暇を控えて実需以外の取引は手控えられる状況になってきた様子です。

ドル円は三者会談開催を受け一段と介入警戒感が強まることとなりました。2022年に介入が出た際の流れは9月8日に三者会談が開かれ、15日にレートチェック、22日に大規模介入という流れでした。今回もこれまでの牽制発言から一歩進んで三者会談が開かれたことで、米国との調整を経て神田財務官の「スタンバイ」発言を待つばかりというところでしょう。

今後152円台に乗せる動きがあれば介入が出る可能性はかなり高いということになりますが、年度末、イースター休暇と流動性が低下しますので、動き次第では当局もあえて薄い中で押し下げ介入をすることもあるかもしれません。個人的にはその可能性は流石に低いかとは思いますが、152.00〜152.50は介入赤信号の水準と見ておいてよいかと思います。



配信日:2024年3月28日