デイリーレポート(2024年3月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場では前日NY市場での買い戻しの動きを受けて上昇、日経平均株価が上昇したことによるドル円、ユーロ円での円売りの動きも手伝い欧州市場序盤には150.68レベルの高値をつけました。その後いったん押しを挟みNY市場前場には150.71レベルの高値をつけましたが週間高値は試しきれず、その後出てきた弱い経済指標に反応した米金利低下から150.05レベルまで下げそのまま引けました。

ユーロドルはNY市場まで1.0810前後の狭い値幅でのもみあいが続きました。NY市場では米金利低下の動きからユーロ買いの動きとなり、1.0843レベルまで上昇し高値圏での引けとなりましたが、終日レンジは45pipsに留まり、動きは鈍い状態が続いていました。

ドル円は150円割れでは買いという流れになってきましたが、150円台後半は相変わらずドル売りオーダーが上値を抑える中で、米金利低下が反落させることとなりました。本日は朝方に日経平均株価が4万円の大台を見たことで、達成感も出てきたと思いますので、株価が利食いで下がる動きが出ればドル円も再び150円の大台を割り込んでの推移になると見られます。

シカゴ通貨先物における円売りポジションが昨年の水準を超え、約13.3万枚に膨らみ2017年11月以来の水準と危険水域にあること、150円台後半での上値の重さを考えると目先底堅くても中期的にはそろそろ反落がありそうだという見方でいた方が良さそうです。週明けのドル円は終日じり高の展開となりましたが、米金利も終日じり高となっていたことが主要因です。ただ今週はパウエル議長の議会証言、ベージュブック、週末には雇用統計と米国関連で重要なイベントが目白押しとなっていることもあって、動き自体は鈍いままでした。

ユーロドルはもっと動きが鈍く終日のレンジはわずか32pips、米国関連のイベントに加えECB理事会も控えているため余計に動きにく状態です。

本日もドル円、ユーロドルともに最近のレンジ内での動きを繰り返すでしょうから、市場参加者の注目は引き続き株式市場、そしてビットコインということになりそうです。



配信日:2024年3月5日