デイリーレポート(2022年10月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

日銀短観の影響は見られなかったものの株安の動きから朝方は円買いが先行、しかし144円台半ばのドル買いオーダーにぶつかって反転、昼過ぎには一気に145.32レベルへと円安が進みました。しかし介入景観感もありすぐに買われる前の水準に反落、その後は欧州市場前場まで緩やかにドル買い戻しが続き再び145円台乗せとなりました。NY市場では米金利が3.5%台まで低下する動きとともにドル売りが強まり144.16レベルの安値を見た後は引けにかけて144円台後半に戻しました。

ユーロドルは東京市場では0.98を挟んで上下に細かく神経質な動きが続いていましたが、欧州市場に入り以前からCDSが上昇していたクレディスイスへの懸念が銀行株の下げを嫌気してユーロドルにも売りが入りました。しかし、米金利低下によるドル売りが勝りユーロドルも上昇し、NY昼前には0.9845レベルまで上昇後やや押して引けました。

ドル円は月初から荒っぽい値動きをしていますが、何も無ければ、あるいは円買い介入が出ればドル買いポジションを作りたいと考えてい流向きが多そうです。過去の介入でも結局は大きな流れは止められず、介入前のトレンドを継続することがほとんどですから、今回も遠からず146円台に乗せる可能性は高いと考えざるを得ません。

ユーロドルはこれまでの欧州の悪材料に加え直近ではクレディスイスの信用不安もユーロ売りの材料となっています。これは今から1年以上も前のヘッジファンドアルゴケスの破綻から続いている話ですが、クレディスイスは10月中に大規模な改革を行うとされ、それまでもが悪材料とされているようです。ただCDSが落ち着かないとクレディスイス発の信用不安は欧州市場につきまとうこととなるでしょう。

本日も対円、対ユーロともにドル買いに動きやすいのですが、米金利の戻しも鈍いことからNY終値近辺でのもみあいとなりやすいと考え、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  144.10〜145.10
 ユーロ  0.9775〜0.9845
 ユーロ円 141.70〜142.55



配信日:2022年10月4日