デイリーレポート | 一般社団法人 金融リテラシー協会

デイリーレポート

2019年9月13日
ドル円は米国の対中追加関税の発動が半月延期されるとの発表に10月に予定されている米中通商協議への期待から株式市場が上昇し、為替市場も追随してリスクオン姿勢が強まりました。昼過ぎには108.17レベルまで上昇したものの108円台では売りも多く、その後はじり安。ECB理事会後のユーロ円の下げもありNY朝方には107.52レベルまで水準を下げたものの、その後のユーロ円の買い戻しから日中高値をわずかに更新後に高値圏での引けとなりました。いっぽうユーロドルはECB理事会までは動かずでしたが、−0.5%へとマイナス金利の深堀り、11月から月額200億ユーロのQE再開、フォワードガイダンスの強化と市場参加者が事前に期待した全ての緩和策が実施されることとなりました。併せてユーロ圏の成長率見通しを下方修正したこともありユーロドルは一時1.0927レベルまで安値を拡大しました。しかし、その後はこれ以上の緩和期待は難しいとの見方も広がり材料出尽くしから一斉に買い戻しに走り、1.1087レベルまで急反騰後にやや押して引けています。ドル円はECBの大規模緩和と来週のFOMCの利下げ思惑もあり、日銀も追加緩和を行うのではないかとの思惑が広がってきました。このあたりを見極めるまでは円安地合いが続きそうではあるものの、昨日の108円台での動きを見ていると、108円台にはまだ売りたい向きも多く一気に円安に振れるような状況でも無さそうです。本日は売買が工作しそうですが週末でもあり、107.90レベルをサポートに108.35レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。ユーロは市場参加者の思惑通りに包括的な緩和策を示しましたが、QE再開には反対の声もあったと思われ、当面切れるカードは全て切ってしまったという感じがします。このあたりの動きは直前のトルコ中銀による2回連続の大幅利下げ後の動きにも共通ですが、材料出尽くしによりそれまでのポジション調整が一斉に出たという印象です。ただ、ECBがここまでの緩和に踏み切った背景にはドラギ総裁の発言にもあったように著しい下振れリスクの持続があるわけですから、ユーロ買いが一巡した後は改めてユーロ売りを考えることとなりそうです。本日のユーロは戻り売り、ユーロドルが1.1035〜85、ユーロ円はドル円の影響でやや底堅く119.30〜119.90とします。レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

更新日: 2019-09-13 10:25:00