デイリーレポート | 一般社団法人 金融リテラシー協会

デイリーレポート

2021年9月6日
ドル円は前日のもみあいを下抜け売りが先行していましたが、菅首相辞任報道をきっかけに日経平均株価が上昇、それを受けてドル円、クロス円の円売りtpなりました。ドル円は109.79レベルから110.07レベルへと30銭弱上昇したものの前日高値は抜けられずにNY市場入り。米国雇用統計は失業率は予想通り5.2%へと改善したものの、NFPは予想を大きく下回る+23.5万人に留まり109.59レベルへと水準を切り下げ、若干戻して引けました。ユーロドルは東京市場前場の菅首相辞任報道でユーロ円上昇に引っ張られてやや底堅う動きとなりましたが、その後はNY市場までやや上値が重いもみあいを続けました。雇用統計直後はドル売りの動きから1.1909レベルの高値をつけましたが、NYダウの下げがドル円だけでなくユーロ円の下げにも波及し、すぐに元の水準へと押しました。ひけにかけてはドル売りの影響からじり高となった後に若干押しての週末クローズとなりました。先週のドル円はドルの上値が重い中、二階幹事長交代、菅首相辞任と2つの総選挙に向けての自民党内人事によって日経平均株価が上昇、それを受けて円売りという動きが目立ちました。しかし週末前の米国雇用統計のうち、NFPがあまりにも悪い数字であったことから全般的なドル売り相場となって、ドル円は週初の水準を下回ることとなりました。自民党執行部の交代が株高につながると言うのも皮肉なものですが、それだけ現執行部は期待されていなかったことの裏返しですから、総選挙に向けて自民党も勝つための仕掛けをしてくる=株式市場にとっては変化は好材料という流れです。ただ、今週はイベントが一通り終わった後ということになり、日経平均株価が3万円の大台に乗せるかどうかを見ながら引き続きドル円はこれまで同様にレンジ内での動きということになりそうです。今週はECB理事会があり、最近のECB関係者の発言からECBもテーパリングの議論に入るという思惑が高まっています。このあたりがユーロ買い要因としてドル安の要因にもなっていますが、ECB理事会に向けての思惑と、その結果と総裁会見と、今週はユーロが動きの中心となってくると見られます。本日は雇用統計後のドルの下げに対して若干調整の買い戻しが出やすいと考え、以下のレンジを見ておくこととします。
 ドル円  109.65〜110.00
 ユーロ  1.1860〜1.1900
 ユーロ円 130.30〜130.70

更新日: 2021-09-06 09:33:30