デイリーレポート | 一般社団法人 金融リテラシー協会

デイリーレポート

2019年8月6日
ドル円は週明けの東証スタートともに株価が下落する動きに沿ってリスクオフの円買い、金曜安値を下回るとストップオーダーも巻き込みながら一気に105円台へと入り込みました。昼過ぎには105.76レベルの安値をつけましたが、財務省と日銀が会合とのヘッドラインが入り様子見。財務官の会見は特段目立った内容では無かったものの、その後ドル円はNYの引けまで105円台後半でのもみあいに終止しました。いっぽうユーロドルは、東京市場ではドル円とともにドル売りユーロ買いが先行、その後海外市場に移ってからは動きを止めたドル円とは対象的に、ドル売りの対象がユーロドルへとシフトした印象でした。ユーロは対ドル、対円ともに買いが目立ち、ユーロドルは1.12台乗せ、ユーロ円も119円近くまで買い戻されての引けとなりました。NY引け後に最近の人民元安に対して米国が中国を為替操作国と認定、最大で45%の制裁関税を課す可能性も出てきました。これまで米国は為替報告書で中国を日本やドイツ同様に監視リストに加えるのみで為替操作国とはしてきませんでしたが、これでトランプ大統領が公約を盾に大幅な関税アップを考えると米中間の貿易摩擦は一弾の激化を見ることとなります。中国も対抗措置を出してくる可能性も高く、早朝の金融市場は全面的なリスクオフ相場となっています。ドル円は、前日のNYダウ大幅安に続いてダウ先物や日経平均株価が一段安となるリスクを懸念して、昨日安値を早々に下抜け105.51レベルの安値を付けて上値の重たい展開となっています。NYダウも先物で昨日安値から更に400ドルを超える下げとなり、225先物も一時2万円の大台を割り込んでいます(どちらもシカゴGLOBEXの夜間取引)。本日はスピードが速いことから、若干の調整を挟んでもおかしくはありませんが、株価の急落から為替市場では9月以降の大幅利下げを織り込み始め、このこともまたドル売り要因となっています。本日は106.10レベルをレジスタンスに105.30レベルをサポートとする流れを見ておきます。ユーロドルは、昨日の海外市場以降はドル売りのリーダーとなっていましたが、NY引け後にユーロ円の売りが一時的に上値を抑えたものの、改めてユーロドルの買いが強まる展開となっています。ユーロドルは早朝相場で1.1250レベルまで上昇し、その後も底堅い展開となっていますが、株価の動向次第ではユーロ円の売りが再燃しやすくなるために、1.12台後半では売りも出てくると見ています。本日は、ユーロドルが1.1200〜70、ユーロ円は118.40〜119.30のレンジとします。レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf

更新日: 2019-08-06 10:10:34