デイリーレポート | 一般社団法人 金融リテラシー協会

デイリーレポート

2022年11月4日
2日のドル円はFOMCを前にドル売りが先行、FOMCでは予想通り0.75%の利上げと将来の利上げはタイムラグを考慮という文言が加わり、初動はドル売りで反応し145.67レベルの安値をつけました。しかしパウエルFRB議長の会見では金利のピークは従来の想定よりも高いと発言したことで、米金利上昇とともにドル円も147.97レベルまで反発し高値圏での引けとなりました。東京市場が休場となった3日は早朝に利食いが出たことで薄い中を147.11レベルまで下押しが見られましたが、その後は議長会見後の米金利上昇とドル買いが続きNY朝方には148.45レベルまで上昇後高値圏での引けとなりました。ユーロドルも基本的な動きはドル円同様で、3日はFOMCまで若干売りが入り、FOMCと議長会見では0.9976まで上伸後に0.9813レベルまで下落し安値引け。4日も続落し0.9730レベルまで続落し、0.97台半ばで引けました。ドル円よりも対ユーロでのドル買い(ユーロ売り)が強くユーロ円は2日東京の146.48レベルから3日NYの144.03レベルまで下げています。FOMCでは利上げ幅は予想通り、12月FOMCでの利上げ幅が0.5%となりそうなことはWSJの観測記事に沿った流れとなりましたが、その後のピーク金利が今までよりも高いとの発言でFF先物市場では、3月FOMCで5.0〜5.25%まで政策金利が上昇するという見方がコンセンサスとなっています。またこの水準が2023年11月まで続き、2023年12月に緩和に転換するとの見方がピーク金利維持よりもわずかに高い状況です。このようにFOMCを経て結果としては今まで以上に金利のピークが上がるという見通しから全般的にドルが買われる流れとなっています。株式市場は金利上昇のピークが高まるとの発言を嫌気して売りとなりましたが、短期的には金利高、株安、ドル高という地合いが続きそうです。本日はこのあと米国雇用統計があり、週明け8日には米国中間選挙と週末を挟んで更なる乱高下につながるイベントが続きます。基本は上記の通りですが、週末前のポジション調整や中間選挙前の思惑などで動きが読みにくくなりますので、本日も予想レンジは示さないでおきます。

更新日: 2022-11-04 10:53:54