デイリーレポート | 一般社団法人 金融リテラシー協会

デイリーレポート

2019年10月18日
ドル円は東京市場では狭い値幅で上下しながらもブレグジット合意期待がリスクオン気味に推移させている様子でした。欧州市場に入りブレグジット合意のニュースで一時108.94レベルと直近高値をわずかに上抜けたものの、109円台には売りオーダーが控えていること、また株式市場も下げに転じたことも重なってNY市場では日中安値を下抜け108.45レベルまで下押しした後にやや戻して引けました。
いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤までは様子見姿勢が強まりほとんど動意のない展開となっていましたが、欧州市場に入り早い段階でブレグジット合意のニュースが流れポンド高に引っ張られてのユーロ高となりました。その後、北アイルランドの閣外協力政党DUPからは支持しないとの発言がありポンドは下げて行って来いのあとは再びじり高、ユーロドルは高値圏で膠着状態のまま引けています。ドル円は既にブレグジット合意期待が先行していたところに実需売りと株安が反転下落させる結果となりました。外部要因としてトルコと米国の間でシリアでの休戦合意というポジティブな材料と、19日の英国議会では合意したブレグジット案の可決にはまだ若干票が足りないというネガティブな材料がミックスしたNY市場となりましたが、108円台後半までのドル高の流れの中でそれなりにドル買いポジションが積み上がってきたことを考えると、週末前の調整売りにも注意が必要です。本日は108.80レベルをレジスタンスに、108.40レベルをサポートとする流れを見ておきます。ユーロドルは事前にかなり期待が高まっていたものの実際に英国とEUの間でブレグジット合意の発表によってポンド高、ユーロ高と順当な反応を見せました。これで最初のハードルは越えましたが、ここで英国議会というハードルが出てきます。19日に合意案を可決できれば合意ある離脱が確定しますが、現状可決にわずかに届かないという状況のまま採決が行われ否決された場合には、ジョンソン首相はEUに対して離脱延期を求めなくれはなりません。そうなると再びボールはEU側に投げられ、EUが延期を認めるか、認めず合意なしの離脱となるか、現状ではこちらも不透明です。ジョンソン首相はなんだかんだ言いながらもここまで進めてきましたし、可決に自信があるとも言っていますので、ここらで3年に渡る英国政治の停滞は終わりにしてほしいというのが、英国民とEUの望むところであるとは思います。否決の場合は週明けの早朝相場でボンドもユーロも売られる可能性があり、週末前のポジション調整でユーロの上値も重たくなるでしょう。本日はユーロドルが1.1090〜1.1140、ユーロ円は120円の大台を見たことで達成感もあり上値が重たい流れを考えて120.55〜121.15とします。レポート全文は http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf週足チャートは http://www.ascendant.jp/gain/daily/Weekly.pdf

更新日: 2019-10-18 10:54:27