デイリーレポート

東京市場では株式市場が寄り付き直後は買いが先行したため、為替市場でもドル買いが見られたものの両市場とも後が続かず、じり安の流れで海外市場入りとなりました。欧州市場序盤に米国10年債の夜間取引で利回りが0.7%を割り込み、米国の追加緩和思惑が高まるとともにドルは105円割れ。その後NYの市場で強めの雇用統計が発表され105円台半ばへと戻す場面も見られましたが、105円台前半でのもみあいのまま引けました。

いっぽうユーロドルは東京市場ではまったく動かず、欧州市場に入って米金利低下によるドル売り・ユーロ買いで1.13台に乗せる動きとなりました。その後もユーロは底堅い動きを続け、NY前場には1.1355レベルまで水準を切り上げ、引けにかけては1.13台前半を中心としたもみあいで一週間を終えています。

また金曜のNY市場ではOPECプラス(OPEC・非OPEC会合)で前日OPECが決めた協調減産継続が決裂したことで、NY原油は引けにかけて41.05ドルと2016年8月以来の安値をつけました。さらに、この決裂を受け週末にはサウジアラビアも自主減産をやめ増産に転じるとシェア重視の姿勢に方針を転換したため、新型コロナウイルスで需要が減っている中での供給過多を懸念する動きから、週明けの早朝市場ではリスクオフの動きに拍車をかけるスタートを切っています。

ドル円はリスクオフの円買いだけでなく、2018年以降テクニカルに重要なサポートとなっていた104円台半ばを下抜け、さらには新興国通貨をはじめクロス円全般での円買いが強まり、一時104.19レベルの安値をつけています。新型コロナウイルスの感染者拡大が止まらない中、主要金融市場は現実を直視する以上に直近では過剰な悲観に覆われ始めたとも言えますが、このテクニカルな下抜けは非常に重要で、このままで行くと中期的には100円の大台も視野に入れてくる可能性が高まってきたと考えられます。本日は金曜引け以降のスピードも速いことからいったんどこかで下げ止まりそうな感じもしますが、買われたところでは売りが出てくると考えたほうがよさそうです。105.00レベルをレジスタンスに、104.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルもドルの動きとしてはドル円同様で、一段のユーロ高を試しやすい流れとなってきました。一時はユーロ安がドルインデックスを100の大台目前の99.82まで上昇させていましたが、直近では95台後半へと下げてきました。米国にとって為替水準は良い方向ではあるものの、当時と異なり株安、長期金利低下といった動きが出ているため、金融市場の混乱が収まるまでは強いドルが望ましいといった発言が出てくる可能性もあります。ただ、そうは言っても目先のユーロ買いはそう簡単には止まりそうもなく、2018年高値と2020年安値の38.2%戻しに近い1.14台半ばを視野に入れる展開です。本日は1.1320レベルをサポートに1.1400レベルをレジスタンスとします。

ユーロ円に関してはドルの動きがユーロドルで出やすい面と、リスクオフの動きが円で出やすい面とで時間差はあるものの基本的には横方向への動きとなりやすいはずです。ただ、早朝相場でドル円のテクニカルな下抜けにクロス円が全般に引っ張られていることから、今日のところは上値が重たい展開となりやすいでしょう。ユーロ円は118.00〜80とします。


配信日:2020年3月9日