デイリーレポート(2020年6月29日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場は動きが見られませんでしたが、後場以降徐々に上値が重くなりNY市場前には106.80レベルの安値をつけました。特に材料は見当たらず、前日の107円台半ばでの上値の重さから、ドル売りオーダーの水準を下げてきていると思われる動きでした。NY市場では逆に実需のドル買いが日計り売りを踏み上げさせましたが、戻り高値は107.36レベルまでと上値の重さは変わらず、引けにかけてはやや押す動きとなりました。

いっぽうユーロドルは終日方向感がはっきりしない展開が続き、1.1220レベルをもみあいの中心に1.12台前半で週末前の小動きが続きました。値幅は伴わなかったもののユーロ円がドル円同様の動きとなったことも、ユーロの対ドルでの動きを狭くする要因になったと考えられます。

ドル円は先週、週を通して107円台半ばでの上値の重さを感じさせる展開となりましたが、火曜のドル安の動きの中で下値も確認した格好となり、当面は106円台後半の買いと107円台半ばの売りとに挟まれる展開が続きそうです。今週は四半期末も重なり週初は月末の実需も出てくる可能性がありますのでそうした特殊要因の動き、また米国では感染者急増で再び経済活動に制限を加える州が出始め、株式市場は先週後半はじり安のて展開をたどりましたが、ここから更に売りが出てくるようであれば、ドル売りに繋がる可能性もありそうです。本日のところは106.90レベルをサポートに107.30レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルは火曜の1.13台からじり安の週後半となりましたが、週末の公表された通貨先物のポジションでは前週に続いてユーロ買いポジションが12万枚弱とここ数年ではどちらの方向としても、かなりポジションが膨らんでいる状態です。このあたりのポジション調整もユーロの上値を抑えやすい材料となりやすいため、引き続きユーロは対ドル、対円ともに上値の重たい流れになってきそうです。本日はユーロドルが1.1190〜1.1240、ユーロ円は120.00〜50のレンジとします。



配信日:2020年6月29日