デイリーレポート(2020年6月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場から売りが先行する株式市場の動きを見ながら上値の重たい展開を続けました。NYの昼前にはダウが急落する動きとともに106.57レベルの安値をつけ、引けにかけてはやや戻しての引けとなりました。
いっぽうユーロドルはNY市場後場まではある程度の上下は見られたものの方向感がはっきりしない動きを続けていました。ただ、1.14で上値を抑えられている感が強く、NY後場にはユーロ円の下げがきっかけとなってユーロドルも1.13を割れての引けとなりました。

ドル円の円高の動きは従来型のリスクオフの動きと言え、株安の影響が大きいのですが、株式市場はまるで2月の時のように実体経済から乖離した楽観に覆われ、特にナスダックは史上最高値を更新するなど、個人的な感覚としても理解しにくい流れとなっていましたが、これまでと全く材料は変わらない中で、昨夜はコロナウイルス感染第二波懸念がクローズアップされました。週末を控えて本日も株式市場は続落の懸念もあり、ドル円、クロス円は円高地合いとなりやすいでしょう。本日は107.00レベルをレジスタンスに106.40レベルをサポートとする流れとします。

ユーロドルは1.14の上値の重さと1.13台前半の底堅さに挟まれ上下を繰り返していましたが、株安の動きがドル円に遅れてユーロ円にも見られ、ユーロ円はNY市場引け間際に120.59レベルまで水準を下げ安値引けとなりました。ユーロ円は欧州内の材料もあってドル円以上に短期筋の買いが積み上がっていたと思われますので、119円台半ばまでの下げは考えておいたほうがよいかもしれません。本日もユーロ円は下げやすい地合いにあり、ユーロドルもその動きに引っ張られそうです。ユーロ円が119.90〜120.70、ユーロドルは1.1245〜1.1305のレンジとします。



配信日:2020年6月12日