デイリーレポート(2020年6月10日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は株式市場の下げとともに円高の動きが先行し、前日安値を下回るとストップオーダーも加わって東京前場から108円を割り込む動きとなりました。その後も株価とともに上値の重たい流れが続き、NY市場が始まる前には一時的な買い戻しも見られましたが後が続かず。NY市場の昼過ぎには107.62レベルへと下値を広げそのまま安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、東京市場では株安による円高の動きがユーロ円にも波及、その動きからユーロドルも売られる展開となり欧州市場序盤には1.1241レベルの安値をつけました。その後は本日のFOMCにおいてイールドカーブ・コントロール導入等の追加緩和策が示されるとの思惑から対ユーロでドル安が進み、ユーロドルは1.1364レベルまで上伸後にやや押して引けました。

ドル円は先週火曜以降の円安の動きを今週初の2日間で全て押して元の水準に戻ったこととなりましたが、多分に株高によるリスクオンで円高を見込んだ参加者が切らされ、円安に傾いていたところにFOMCに向けての緩和思惑で現在の水準がニュートラルという見方でよいかと思います。

FOMCでの追加緩和があれば株価は買われる可能性が高そうですが、為替はここまでのドル売りの動きが続く可能性があります。いったんは材料出尽くしでのドル買い戻しとなるかもしれませんが、米国内でのデモ活動やそれからのコロナウイルス第二波発生などを考えると、株式市場もそろそろ調整が入ると見るほうが客観的であるとは思いますが、不思議なほどの強さです。

本日はFOMCまではドルの上値が重たいものの大きくは動きにくそうということで、以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  107.45〜95
 ユーロ  1.1320〜70
 ユーロ円 121.85〜122.35



配信日:2020年6月10日