デイリーレポート(2020年6月9日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場まで上値は重たい流れとなっていたものの109円台半ばの狭いレンジでの取引が続いていました。NY市場に入り明日のFOMCでイールドカーブ・コントロールが議論されるとの話が蒸し返され米長期金利が低下、ドル売りが入り始めたところで、短期的にドル円でのドル買いが膨らんでいたことからストップオーダーを巻き込んで急速に値を下げる展開となりました。後場には108.24レベルまで安値を切り下げそのまま安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは終日狭い値幅での取引が続きました。ドル円ではポジション調整から急速にドル安が進みましたが、ユーロドルではユーロ円でのポジション調整も大きかった様子でドル売り(ユーロ買い)とぶつかって値幅は狭いままで終わっています。

ドル円のNY市場での急落を見ると、短期的にかなりドル円、クロス円での円売りポジションが溜まっていたことが伺えます。直近で大きく円安に動くきっかけとなったのが先週火曜NY市場の円売りの動きとなり、その直前の水準が107.85水準であったことを考えると、FOMCを前にいったん同水準まで押すと考えたほうがよさそうです。本日は既に朝に高値を見たと思いますので108.40レベルをレジスタンスに、107.80レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは蚊帳の外ですがユーロ円はドル円同様に買いの投げが目立ちます。ユーロ円ではユーロの買い材料と円売りとが重なったので、先週火曜のNY市場前はまだ120円台前半とNY終値よりはかなり下です。それでも、ドル円の下げがユーロ円の下げにつながると考えるならば本日もユーロは横ばいかやや上値の重たい流れ、ユーロ円は一段安の動きでしょう。本日はユーロドルが1.1260〜1.1310、ユーロ円は121.50〜122.40のレンジとします。



配信日:2020年6月9日