デイリーレポート(2020年6月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では最近の日経平均株価の強さも手伝って107円台半ばから後半へとじり高の流れとなっていました。欧州市場では中国が昨日出ていた米国産大豆輸入停止を否定したこととユーロ円の一段高から更に下がためをする動きとなり、NY市場ではドル円が直近の高値を上抜けたことからストップオーダーも巻き込みながら大幅高となり、後場には108.77レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、東京市場ではまったく動かずの展開となっていましたが、欧州市場前場に月曜高値を上抜けるとストップオーダーを引っ掛けて上昇、対ドルだけでなく対円でも上昇する動きとなり、その後もユーロは底堅い動きを続けました。NY市場ではユーロドルが1.1196レベル、ユーロ円は121.63レベルの高値をつけそれぞれ高値圏で引けています。

ドル円はこれまで108円前後でのドル売りオーダーが強かったことから、短期筋のドル売りポジションが積み上がっていたとしか思えませんが、NY市場では一気に108円台後半へと水準を切り上げ、東京朝方には更に高値を更新する動きを見せています。ユーロドルなど他の通貨に目を向けるとドル全面安となっていて、いまの動きはドル円、クロス円と円独歩安の状態です。米国内の暴動が収まらない現状や週後半の経済指標を前に、ほかの通貨のドルの動きにどこかでついていく可能性があるのですが、それでも108円を上抜けてきたことからテクニカルには短期的に108円がサポートとなってくるでしょう。本日は昨夜のドル買いのスピードがやや速かったことから調整を考え、108.80レベルをレジスタンスに108.20レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは欧州委員会による新たな補助金を思惑としたユーロ買いは一段落していると考えられますが、英国のブレグジット移行期間後の対応について英国が柔軟な姿勢を見せていることによるポンド買い、そして米国情勢が依然として収まっていないことによるドル売り、そしてユーロ円の買いとユーロを買いやすい材料が揃ったことによる一段高と考えられます。ただ、ドル円にしてもクロス円にしても、週鋼板を前にしていつ調整が入ってもおかしくはないため、ユーロドルもいったんは調整局面に入りやすいと考えられます。本日はユーロドルが1.1150〜1.1200、ユーロ円は120.95〜121.75のレンジとします。



配信日:2020年6月3日