デイリーレポート(2020年6月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では先週に続いてユーロドルでのドル売りの目立ち、ユーロドルは欧州市場序盤に先週高値を上抜ける動きとともにドル円も一時107.38レベルの安値をつけました。材料的には中国による米国産大豆輸入停止を考えているとの話がきっかけとなりました。その後もユーロ主導の相場が続き、ドル買い戻し後に引けにかけては売られるという流れになりましたが、特段目立った材料は無く、107円台後半で上値の重たいもみあいの一日となりました。

いっぽうユーロドルは、先週のユーロ高の流れを継続し一時1.1154レベルと先週の高値を更新する動きを見せましたが、米中対立懸念や米国内で広がるデモ活動を背景としたドル売りの動きが対ユーロで進んでいるという印象です。他のクロスを見ると逆にユーロは資源国通貨やポンドに対して売られていることから、決してユーロ高ということでもありません。直近のドル売り材料が対ユーロで反応しているという見方でよいでしょう。

ドル円は先週以降も108円台の上値の重さを感じさせますが、実需のドル売りオーダーは仮にユーロが一段高となってくるとドル円での下押しにもつながるため、オーダーの水準を下げてくる可能性もありそうです。今週の雇用統計もかなり悪くて当たり前といった感じになっていますが、発表前にユーロに遅れていったん調整のドル売りが出てくる可能性が高いのではないかと見ています。本日は107.75レベルをレジスタンスに107.25レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは強い地合いを続けていますが、ややスピードが速い気もします。ドル売りの主役がドル円にうつるかは別として、ユーロ円も120円の大台を試しきれていませんし、いったん高値圏での調整局面にはいる可能性が高いのではないかと見ています。本日はユーロドルが1.1100〜1.1150、ユーロ円は119.40〜119.90のレンジとします。



配信日:2020年6月2日