デイリーレポート(2020年5月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では上値は重たかったものの目立った動きは無いまま海外市場入り。欧州市場ではトランプ大統領が現状ではドル高を支持するとの発言を受け、ユーロドルを中心にドル買いの動きとなりました。NY市場ではいったん押しも入ったもののそれまで売りが先行していたダウ先物がに買い戻しが入る動きとともにリスクオンの動きとなってドル円は107.37レベルまで買い戻されて高値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、欧州市場まではドル円と同様にもみ合いの後のドル高で1.0775レベルの安値を付けました。その後のNY市場では売買が交錯し、1.08を挟んで神経質な上下を続けていましたが、流れとしてはドル高地合いが抜けきれず、ユーロは上値が重たい印象での引けとなりました。

ドル円は、週初の高値からじり安の流れが続いていましたが、ダウとともに日経平均も反発し、株価とともにこれまでの下げに対する週末前の調整という見方でよいかと思います。トランプ大統領のドル高支持発言の真意はわかりかねる部分はありますが、現状の不安が残る金融市場状況と対中国の制裁検討も関係している可能性もあり、素直にうけとるべきかどうかは悩ましいところです。そうしたこともあって、本日は週末を控えての様子見となりやすいと見ていますので、NY終値を中心に107.00〜50のレンジを見ておきます。

ユーロドルは、ドル高支持発言で改めてユーロの上値が重くなりやすい状況ではありましたが、1.0780水準へと下がったところでは買いもいるという状況はこれまでと同様でした。ドイツ憲法裁判所の違憲判決以降ややユーロの売りポジションが増え、その分の買い戻しがいるという感じではないかと思います。本日はユーロドルが1.08を挟んで1.0780〜1.0820、ユーロ円は116円挟みで115.75〜116.25のレンジを見ておきます。



配信日:2020年5月15日