デイリーレポート(2020年5月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場昼前までは堅調な株価とともにリスクオン、週前半の下げに対する利食いも手伝ってじり高の展開を辿りました。NY前場には106.65レベルの高値をつけましたが、米金利が低下する動きとともにドル売りへと転換し106.21レベルまで下押しして安値圏での引けとなりました。
いっぽうユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場では前日までの流れを受けて上値の重たい流れが続き、ドル円のドル買いの動きも重なってNY市場では1.0766レベルの安値をつけました。しかし米金利低下の動きからユーロ買いへと転じ、1.0837レベルをつけての高値引けとなりました。

ドル円は今回の下げでは105円台にはドル買オーダーが見られたことや、株高、雇用統計前のポジション調整等からドル買い戻しが先行しましたが、米金利低下の動きはあったとはいえ、まだまだ上がったところでは売りたい向きも残っている様子でした。106円台後半には売り遅れている向きのオーダーも下げてきています。

本日の米国雇用統計は悪くて当たり前という状況ですが、直近の予想では失業率が16%、NFPがー2200万とADP全国雇用者数同様に過去に見たことが無い数字が並んでいます。予想からのブレもあるでしょうが、実体経済の悪さを株式市場がどのように捉えるか、そしてそれを為替市場がどうみるかというところだと思いますが、実体経済の改善にはまだ時間がかかるという冷静な見方をするならば、当面は株もドル円も上がったところは売りというスタンスがよいかと思います。

またユーロはドルの動きに追随するかユーロ円の動きに追随するかで出方が異なってきますが、株安によるリスクオフでは現状はユーロ円に売りが出やすく、ユーロドルの上値が重たくなるという流れが多いイメージです。本日は雇用統計待ちではあるものの、3主要通貨ペアとも戻り売りを考え、以下のコアレンジを示しておきます。
 ドル円  106.00〜106.50
 ユーロ  1.0810〜1.0860
 ユーロ円 115.00〜115.50



配信日:2020年5月8日