デイリーレポート(2020年5月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は仲値前にドル買いが見られたものの、その後は再びドル売りの流れに戻り後場には106.40レベルの安値をつけました。しかし、前日安値も抜けられなかったことから買い戻しも出て、前日終値近辺でNY市場入り。ロンドンフィキシングに向けて大口のユーロ買いが出たことからユーロ円も上昇し、ドル円もその動きに引っ張られ107円台乗せ。引けにかけては短期筋のストップも巻き込みながら107.50レベルの高値をつけ、やや押しての引けとなりました。

ユーロドルはECB理事会を前に全く動きが見られないまま結果待ちとなりましたが、発表直後は現状維持と弱い経済見通しに反応してユーロがやや下げる動きを見せました。しかし、ラガルド総裁の会見では新型コロナウイルスに対応した緊急プログラムを延長する可能性と、金利をマイナス1%まで下げる可能性に言及したことから一転ユーロ買い。しかも月末特殊要因で大口のユーロ買いが出たことも重なって、ユーロドルはストップオーダーも巻き込み1.0973レベルまで上昇後、若干押しての引けとなりました。

ドル円はドル安トレンドが出ていた中でポジション的にも円高を見込んでのポジションが増えていたと考えられますが前日安値を抜けられず、月末のユーロ買いがユーロ円、ドル円へと波及したことから急速に水準を切り上げることとなりました。ただ、108円台に残っていたドル売りオーダーが水準を下げてくることが考えられますし、連休を前に積極的な動きは考えにくいため、今日のところは戻り売りが出やすいと見ています。107.40レベルをレジスタンスに106.90レベルをサポートとします。

ユーロは週初からユーロ高トレンドに転換してはいたものの動きが鈍く、ECB理事会の結果にも油断していたところに、まさかの大口のユーロ買いが出て、大きく持ち上げられる結果となりました。またECBによる今後の緊急プログラムの拡大もユーロ買い材料となったと考えられます。ただ、スピードが速すぎる感もありますし、週末を前にして売りも出てくると見ていますので、今日のところは戻り売り、ユーロドルが1.0900〜70、ユーロ円は116.90〜117.60のレンジを見ておきます。



配信日:2020年5月1日