デイリーレポート(2020年4月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場までは底堅さはあったもののほとんど動かない状態が続きました。NY市場に入りNY前場は株安とユーロドルの買い戻しをきっかけに押しが入り、後場は週末前のポジション調整による売りが見受けられたものの前日安値は抜けられず、比較的静かな動きでの週末となりました。

いっぽうユーロドルは、欧州市場序盤に週間安値を更新する動きとともにテクニカルなユーロ売りの動きが見られましたが、1.0727レベルの安値をつけた後はすぐに元の水準へと戻し、逆にユーロ買いが目立つ流れへと転じました。週末を前に売った向きのストップもあり1.08台を回復後も底堅い動きとなり、1.0830レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。

先週のドル円は107円台前半の買いと後半の売りに挟まれ、方向感が出にくい一週間となり、週間レンジも76銭に留まり久しぶりに落ち着いた以前のドル円に戻ったかのような週でした。今週は国内関連でも本日の日銀会合、明日の失業率が注目されますが、日銀の追加緩和と悪い経済指標はほぼ織り込み済みです。また非常事態宣言中のゴールデンウイークということもあって多くの企業の活動が一段と低下することを考えると大きな動きは出にくいものと思われます。

北朝鮮情勢が多少の波乱要因となる可能性はありますが、果たして真実がどうなのかはわからないままなので、その時に周辺国がどのような動きを見せるかを判断してからというところでしょうか。近場のリスクオフ要因ということで、方向としては日本株安、円安になりそうです。本日も基本的にもみあいを継続しやすいと考え、107.30〜70を中心レンジとする流れを見ておきます。

ユーロドルは週末に買い戻しは入ったものの、欧州における新型コロナウイルスの緩和策が各国で出てくるにはまだ半月程度は掛かりそうですし、もともと景気低迷の懸念が強かったことを考えると、上がったところではカウンターで売りたいと考える参加者は多そうです。またユーロドルだけでなく、ユーロポンドやユーロ円でも上値が重たい流れとなっていますので、少なくとも木曜高値(1.0847レベル)を上抜けないと買い戻しは本格化しないと見ています。本日は、ユーロドルが1.0785〜1.0935、ユーロ円は116.10〜116.55のレンジとします。



配信日:2020年4月27日