デイリーレポート(2020年4月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では動かず、欧州市場序盤にユーロ円での売りに引っ張られての円買いの動きに。NY市場の朝方には107.35レベルの安値をつけましたが、日銀が来週の会合で国債購入額の上限撤廃等、追加緩和策を示すとのヘッドラインに反応し、108.05レベルへと急速に円売りが見られました。しかし、108円台では今回もドル売りオーダーが見られたこと、引けにかけては株安の動きも重なって円高へと転じ、NY市場で買われる前の水準に押して引けています。

いっぽうユーロドルは、東京後場に一時的な上下はあったものの欧州市場に入り欧州の弱い経済指標とスペインでの感染者が再び増加に転じた動きを嫌気してユーロが対ドル、対円で売られる動きとなりました。ユーロドルは一時1.0756レベルの安値をつけましたが、NY市場では円売りがユーロ円でも見られたことから反発しましたが、引けにかけては行って来いの動きとなりました。

ドル円は来週の日銀会合の思惑で一時的に円安とはなったものの、逆に引き続き108円での上値の重さを感じさせる動きとなりました。またスペインにおける感染者数拡大や米国で新型コロナ治療薬の開発失敗など、まだコロナウイルスに関する悪材料も見られ、週末を前にして株式市場も為替市場も積極的にリスクオンに動き感じではありません。本日も上値は重たいながらも大きく下げるほどの材料も無く、107.35〜85での若干上値の重たいもみあいを見ておきます。

ユーロは、ユーロ円の動きがリードする一日に見えますが、欧州時間に出た経済指標やスペインの感染者増加といったニュースを見ている限り、なかなかユーロを買う材料が見当たりませんし、今週はこれまでの三角もちあいを下抜け月間安値を更新してきたことからテクニカルにも売りが出やすい地合いと言えます。本日も引続き上値の重たい流れを考え、ユーロドルが1.0750〜1.0800、ユーロ円は115.50〜116.20のレンジとします。



配信日:2020年4月24日