デイリーレポート(2020年4月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では底堅い日経平均株価とともにドル円も底堅い動きを続けていましたが、欧州市場に入り日経先物に調整の売りが入る動きとともにじり安となりました。前日安値を下回るとストップオーダーも巻き込みながら一段安、NY後場には一時107円割れとなり、若干戻しての引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、東京前場はドル円と同様にドル売りとなりましたが、後場には失速しイースター休暇明けの早朝欧州勢もユーロ売りを先行させたものの下げきれずに反転上昇。欧州市場以降はドル円同様にドル売りが続き、NY後場には市場後場には1.0987レベルまで上昇し高値圏で引けました。

株式市場ではコロナ後の思惑による買い、為替市場ではドル逼迫解消後のドル売りが続いていますが、2月上旬がそうであったように株式市場は楽観による買い、為替市場は現実を見て従来型リスクオフで円高・ドル安という流れになっています。ドル建ての金価格も上昇していることから、どうも株式市場だけが異なった動きをしていますが、コロナ後のドル余剰状態からドルの価値低下を見ているのだとすると、それはそれでわからないでもありませんが、いずれにしても市場によって動きに違いが見られることから、市場参加者に迷いがあることも確かでしょう。

ただ、最近の為替市場は比較的素直で資金市場の代替ニーズが無くなり、実体経済の悪さから従来型リスクオフを警戒している動きと考えられます。既に週初からドル安が進んでいるようにも見えますが、テクニカルにはドル円は106円台半ばから前半をターゲットにしやすい展開にあり、もう一段のドル安を考えてもよさそうです。また、ユーロはユーロ円の影響もあり若干上値が重たくなりやすいと見ています。

本日は以下のレンジを考えておきます。
 ドル円   106.70〜107.30
 ユーロドル 1.0950〜1.1000
 ユーロ円  117.30〜117.85



配信日:2020年4月15日