デイリーレポート(2020年4月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けの市場は原油価格下落が株式市場、為替市場へと波及しリスクオフの円買いが先行する動きとなりました。108円を割り込んでからもじり安の展開のまま海外市場に入りましたが、欧州市場がイースターで休場ということもあってNY市場まではやや買い戻しが入っていました。NY市場ではダウの下げとともに改めて円買いの動きとなり107.50レベルまで下値を拡大後、やや戻して引けました。

いっぽうユーロドルは東京市場では動きが鈍かったもののドル売りの動きから1.0968レベルまで上昇したもののすぐに反落しました。その後はドル円の動きに引っ張られてユーロ円の売りも強まったことからユーロドルもじり安。NY前場に1.0893レベルまで水準を切り下げた後に、やや戻して引けています。

OPEC、OPECプラスの会合を経て、G20の産油国も減産に協調し、さらには中東では自主的な減産も行うこととなりましたが、1500万バレルの減産量はコロナウイルスによる世界景気の停滞による需要減少分3000万バレルの半分です。そして、これ以上の減産は困難であることや当面需要が回復しないことから、原油価格の回復もまた難しい状況となってきました。株式市場は株安、ドル建て金価格は上昇、為替市場では円高と資金市場におけるドル逼迫が解消されてきた中で、従来型のリスクオフに動きやすい地合いになってきたと考えられます。

本日から欧州勢も休暇明けで戻ってきますが、おそらくは昨日の動きを見た上で為替市場は円高とドル安+ユーロ安という見方で入ってくる可能性が高そうです。フランスは外出制限を延期しましたが、他の欧州諸国も追随する可能性があり、欧州経済がコロナ前も後も最も弱いという判断をされやすくなります。ただ、ドル円については若干円高ペースが速い感じもしますので、上がったところを売りというイメージがよさそうです。

本日は以下のレンジを考えておきます。
 ドル円   107.20〜107.85
 ユーロドル 1.0880〜1.0950
 ユーロ円  117.10〜117.85



配信日:2020年4月14日