デイリーレポート(2020年4月8日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京前場のドル円は株価指数先物の下げに沿ってドル売りが先行し昼過ぎには108.67レベルの安値をつけました。しかし、その後はダウ先を中心に株式市場が会に転じた動きからドル円も反転、欧州市場前場まではリスクオンの動きとなっていましたが、109円台ではドル売りも出ていることやNY市場では株が反落する動きから安値圏に近づいての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場前場はドル円と揃ってドル買いとなりましたが、欧州市場序盤からは欧州株も強い動きとなったことや前日高値を上抜けてからはテクニカルな買いも加わってユーロドルは一段高の動きとなりました。その後ストップも巻き込みながらNY前場には1.0926レベルまで上伸後、引けにかけては利食いも入ってもみあいのまま引けました。

金融市場自体は比較的落ち着いてきていることから為替市場もまた落ち着いた動きが目立ってきています。しかし、新型コロナウイルスの感染者拡大には大きな変化がない中で株式市場は不思議なほどの楽観が見られました。しかし、NY市場の昼以降は上昇分を失う動きとなりました。それでも先週末から比べるとまだまだ大幅高と言ってよく、昨日も書いたことですが実体経済に対する懸念は無視しての動きには警戒したいと考えています。このあたりは為替市場のほうがまだ冷静な視点を持っているように思えますし、いつリスクオフ(従来型の株安+円高)に動いてもおかしくはないと構えていたほうがよいでしょう。

ただいっぽうで欧州は相変わらずの感染者拡大に警戒が必要なことや、コロナウイルスの影響前の状況でも景気面では明らかに弱い状態でしたから、ドルが売られる動きとなってもユーロドルの上昇は鈍いというほうが本来の動きであると思います。昨日はユーロドルの買い戻しが目立ちましたが、本日はユーロも上値が重たい展開となりやすいでしょう。

本日の予想レンジは以下のとおりとします。
 ドル円  108.30〜109.00
 ユーロ  1.0840〜1.0910
 ユーロ円 117.60〜118.50



配信日:2020年4月8日