デイリーレポート(2020年4月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は新年度入りとは言うものの目立った動きも無く比較的底堅い動きで推移していました。しかし、後場に入り日経平均が大幅安となる動きを見て従来型のリスクオフとなり円買いが強まりましたが朝方の安値はトライしきれず、再び底堅い動きでNY市場入り。米国の感染者急拡大による株安円高の動きから106.92レベルまで水準を下げ安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは東京市場では1.10台前半で動かずのままでしたが、欧州市場に入り欧州株安の動きがユーロ売りに繋がり前日安値を下抜ける動きとなりました。その後NY市場前場までは1.09台前半でのもみあいを続け、後場に入って1.0903レベルまで安値を広げましたが、後場には全般的なドル売りの動きからユーロドルは1.09台半ばへ戻して引けています。

資金市場が落ち着きを取り戻したことから、ファンダメンタルに目が向いやすい状況となり、新型コロナウイルスの感染者が急増する欧州と米国の景気急減速懸念を背景とした株安がユーロ売り、あるいはドル売りと時間とともに市場参加者の注目する市場がその時間帯における主要市場の売り材料となる従来型のリスクオフ相場になってきました。今夜は先週急増した米国の新規失業保険申請数、明日は米国雇用統計と米国の雇用関連の数字発表が続きます。コンセンサスも幅があるもののそれよりも良いか悪いかで米国株式、ドルが反応する流れが週末クローズまで続くと考えられますが、どちらかと言えばドルは戻り売りが中心となるでしょう。本日のドル円は107.80レベルをレジスタンスに106.80レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは欧州と米国との弱さ比べという状況になっていますが、新型コロナ要因を取り除けば元々欧州の景気は弱かったこととなりますし、イタリアに続いてスペインでも感染者が10万人超えと感染者数も欧州全体で考えると深刻な状況です。そうした状況を考えるとドルよりもユーロが弱くなりやすく、3主要通貨ペアでは円が強いという序列になってくると言えそうです。本日もユーロは対ドル、対円とも上値が重たい展開が考えられますので、ユーロドルが1.0890〜1.0980レベル、ユーロ円は116.50〜117.90とします。



配信日:2020年4月2日