デイリーレポート(2020年3月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

終日ドル売りが目立つ一日となりました。昨日コメントした資金市場が落ち着いていれば素直に従来型の反応という点に関して為替市場は素直に反応、いっぽう株式市場は不思議なほどの強気相場となりました。

ドル円は東京市場では期末に向けた実需の売りがきっかけでしたが、その後の動きはECBも債券購入を開始したり、FRBも行動の余地を示したりと資金市場が落ち着きを取り戻す中で、それまでの為替市場でのドル買いによる調達が解消されている動きが中心と考えられます。107円あたりからドル買いによるドル資金調達が目立っていた感じが強かったことからすると、ニュートラルな水準は107円あたりと考えることもできそうです。

いっぽうで株式市場は連日の大幅高、失業保険申請数の増加や米国での感染者数急増を考えると、米国の景気刺激策可決見通しだけでここまで楽観的になれるのかはやや疑問です。今後出てくる実体経済を示す経済指標は当面は悪化の一途を辿ると考えられますので、この3日間で2割を超える上昇を見ていると2月上旬の理由なき楽観相場を思い起こさせます。おそらく短期的な思惑先行だと思いますので、これが本流と考えることは時期尚早に思えるのですがどうなるか。

ドル円は株式市場の動きとは関係なく米国の状況、そしてフロートしては期末前の円買い、ドル資金調達の解消といったあたりが引き続き上値を重たくする展開でしょう。本日は109.50レベルをレジスタンスに108.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

またユーロドルも為替市場のドル売りの動きに素直に反応し1.10の大台を超える大幅高となっていますが、以前のドル買いに対する調整が対ユーロでのほうがやや大きかったことの裏返しだとは思いますが、さすがに1.10の大台を超えてくると売りもでてきそうですから、本日のユーロは横ばいとなりそうです。ユーロドルは1.0980〜1.1080、ユーロ円はドル円の上値の重さと最近の底堅さに対して週末前の調整が入りやすく119.50〜120.90とします。



配信日:2020年3月27日