デイリーレポート(2020年3月26日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は最近にしては落ち着いた値動きで111円台前半を中心としたもみあいを続けました。各国の金融政策、景気刺激策等への期待も一巡しドルの逼迫も緩和されている中で新たな材料待ちとなっています。NY市場ではユーロ買いのう動きとともにじり安の流れで引けました。
いっぽうユーロドルは底堅い流れが続いていましたが、NY市場に入りECBによる無制限債券買い入れ思惑が高まり、引けにかけてはユーロは1.0894レベルまで水準を切り上げ高値圏での引けとなりました。

冒頭に書いたとおりでこれまでの各国の対応への反応は一巡し、新型コロナウイルスの感染者拡大がいつ止まり人と物の移動が復活するのかに注目が集まります。また、経済指標も欧米における感染者拡大後の数字が出始めているため、実体経済への影響を実際の数字で確認したいという段階になってきました。今夜の米国失業保険申請件数もそのひとつです。どの数字も不安が先行して悪い予想が多いため、それに対して実際はどうなのかを見た上で、株式市場は素直に反応するでしょうが、為替市場がどのような反応をするのかも少しずつ確認したいというところだと思います。

個人的には資金市場が落ち着いていれば、米国の指標に関しては素直に従来型の反応(株安の場合はドル安)になりやすいと思いますが、実際にどうかは要チェックだとは思います。また欧州はイタリアを中心に状況は悪化しているとしか思えず、ECBの対応への思惑があるとは言え、上がったところでは再び売りが出やすいイメージです。

なお、NY引け後にドル円は売りが出ていますが、期末に向けた実需のドル売りのようです。

本日の参考レンジは以下の通りとします。
 ドル円  110.30〜111.30
 ユーロ  1.0840〜1.0940
 ユーロ円 120.20〜121.20



配信日:2020年3月26日