デイリーレポート(2020年3月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場では弱い株価とともにドル売りの動きとなり106.75レベルへと水準を下げました。しかし欧州市場に入り英国も含め欧州売りの動きが強まり、為替市場ではユーロドル売りの動きがきっかけとなってドル高に反転しました。その後はNY市場の後場までドル買いとなっていましたが、これは以前から書いている通りで資金調達の代わりに為替市場でドルを買っている動きの影響も大きいものです。引けにかけては108円水準へと押して引けました。

いっぽうユーロドルは東京市場ではドル売り・ユーロ買いが先行しましたが、欧州市場に入ってからは急速に値を下げ、NY市場では1.0802レベルまで水準を下げました。ドルインデックスも102.04と2017年3月の水準へと上がってきました。ただ、いまは世界的な混乱の中にあり、米国もドルの水準がどうのということも言う状況ではないでしょう。フランス中銀総裁は欧州の混乱に対して、さらなる追加緩和策導入を示唆する発言をしています。今日はユーロのほうが動きが出そうです。

現在の為替市場はリスクオフが手元流動性を高めるため、投資家も実需もドル手当のためにドル買いに走っていることもあって、その動きのタイミング次第ということから非常に読みにくい流れになっています。可能であればしばらく市場から離れて落ち着きを取り戻してから参入するほうがよいとも言えます。参戦する場合でも通常よりも少ない金額での売買で振れを許容できるようにしないとストップばかりがついてしまうということになってしまいます。

本日も参考レンジとして以下のレンジを出しておきます。
 ドル円  107.50〜109.00
 ユーロ  1.0800〜1.1000
 ユーロ円 117.75〜119.00



配信日:2020年3月19日