デイリーレポート

金曜のドル円は終日一本調子での上昇を続けました。東京朝方には安値104.50レベルでスタートしましたが、その後は実需のドル買いが出たところに海外市場に移ってからは前日高値を超えたことによる週末前の短期筋のポジション調整も出て、全般的なドル買い地合いの中で高値を切り上げる流れが続きました。G7を中心に金融緩和や景気刺激策の期待も強くNY市場では株高とともにドル高となり108.51レベルの高値をつけ若干押しての引けとなりました。
いっぽうユーロドルは欧州市場序盤までは狭いレンジの中で方向感が出ず横方向への動きとなっていました。しかし、ドル円が1日で4円もの上昇を示す中で、ユーロ円も大幅上昇とはなったものの、ドル買いの動きに追随しNY昼ころには前日安値に並ぶ1.1055レベルをつけ、引けにかけては若干戻しています。

週明け本日未明に緊急FOMCが開かれ1.0%の利下げを行いました。誘導目標は0.00〜0.25%と過去最低金利に並びましたが、今週のFOMCを待たずに繰り上げ開催、更には1.0%の利下げというのは尋常ではありません。株価を支えたいという単純な理由では無いと思います。今回の新型コロナウイルスによる景気急減速の懸念は中国国内の製造業が停止していることや人の移動の制限によるもので、いわゆる金融危機ではありませんし、金融危機ではないとしたら、ここまで流動性を気にして緊急利下げを行うのも不自然です。いきなりカードを全て切ってしまったことになるからです。

つまり金融危機の懸念が米国内で起きているのではないかと考えられるかもしれません。原因として考えられるのは原油価格の下落による米国内石油産業の業績悪化、さらにはそうした業種へ融資している銀行の業績悪化です。ひょっとすると破綻が近いという状況にまで追い込まれている可能性もあります。週末の大規模石油備蓄も関係しているように思えます。そうであるとするならば、株式市場は思いのほか回復せず、為替市場は素直に金利差縮小でドル売りで動くというのがシンプルな考え方かと思います。また本日は12時から緊急日銀会合(こちらも前倒し)が実施されますが、日銀としてはETFの購入枠増額といった思惑が出ていますが、巨額な含み損が出ている中で果たしてどの程度のことができるのか、また最終決定は5月下旬とはいえ、万が一東京オリンピックの延期、中止といった時にどうするのかを考えると思い切ったこともできないのではとしか思えません。お手並み拝見です。

金融危機現在進行系を連想させる異様な雰囲気での週明けとなりましたが、引き続き上下に振れやすく荒っぽい動きの中、上記のことが当たらずとも何かあるのだとすれば、リスクオフの動きが再開となる可能性に注意すべきです。本日も参考レンジとして以下のレンジを出しておきます。

 目安としての中心レンジ
 ドル円  105.50〜107.25
 ユーロ  1.1025〜1.1200
 ユーロ円 118.10〜119.90


配信日:2020年3月16日