デイリーレポート(2020年3月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は朝方から下げる株式市場を見ながら売りが先行し後場には104円近くに下押し。その後の海外市場ではいったん105円台前半へと戻したものの、上下しながらも上値の重たい流れが続き104円台半ばでの引けとなりました。
いっぽうユーロドルは、欧州市場入りまではドル円とドルでの歩調を揃える動きとなっていましたが、英中銀利下げ後に一度は買い戻されたポンドが再び売りに転じる動きに引っ張られて1.12台半ばへと押して引けています。

昨日はNY市場でWHOが新型コロナウイルスの感染拡大をパンデミックとし警戒感が広がったことから株式市場は上値の重たい展開となりましたが、今日の東京市場10時のトランプ大統領による国民向け演説が期待はずれだったどころか、欧州から米国への渡航制限を発動するなど一段のリスクオフの動きとなってきています。本日もドル円は戻り売りが出やすくなるでしょうからトランプ大統領演説後の高値を超えることは無いと見て、104.60レベルをレジスタンスに103.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは昨日の英中銀緊急利下げを受け本日のECB理事会でも追加緩和が示されるとの見方が広がり、ドル売りの動きながらもユーロ売り要因も重なってドル円に比べるとユーロドルの上げ幅は小さいものとなるでしょう。また株安の動きがユーロ円での売りとなることも重なり、ユーロドルとしては横ばいからやや底堅い程度の動きになると見ています。本日はユーロドルが1.1270〜1.1370、ユーロ円は116.30〜117.90をそれぞれコアレンジとする一日を見ておきます。



配信日:2020年3月12日