デイリーレポート(2020年3月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY引け後にわずかに安値を更新する動きはあったもののそこまで、東京市場以降は株式市場が底堅い動きとなっていたことから、ドル円も底堅い動きとなりました。NY市場ではスーパー・チューズデーの結果が明らかとなり、バイデン前副大統領が大きく代議員数の獲得を伸ばし、左派のサンダース上院議員が指名される可能性が下がりました。これを好感して米国株式式市場は上伸m飛型にかけては大幅高となったことからドル円もやや買いが強まっての引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、ドル円同様にドル高ユーロ安基調での動きが続きましたが、欧州市場では米長期金利の低下から一時ユーロ買いの動きも見られました。株式市場では金利低下を素直に買い材料としていますが、為替市場では金利差縮小によるドル売り要因ともなっていることから、ドル高の方向性を弱める動きとなりやすいようです。

ドル円は、昨日はドル買い戻しの動きとはなっていたものの、ドルが買われる局面では着実にドル売りオーダーが出てくる流れとなってきそうです。112円台から110円台まではまだ様子を見ていた実需筋もその後のドル下落のスピードが速すぎたことで売れていない様子です。本日もそうしたドル売りオーダーが上値を抑えやすいと見て、107.60レベルをレジスタンスに107.00レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはFRBに続き来週のECB理事会での利下げ思惑が広がっています。現状からのマイナス金利の深堀りが効果があるのかは疑問ですし、ECB臨時会合でも利下げの検討は無かったという話が出ていますので、仮に利下げ思惑が広がっているならば、無かった場合にはユーロ買いに動きやすくはなりそうです。本日は横ばいの動きを考え、ユーロドルが1.1110〜70、ユーロ円は119.25〜95とします。



配信日:2020年3月5日