デイリーレポート(2020年2月19日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は早朝のアップル売上未達の見通しから新型コロナウイルスの影響が実体経済にも出てきていることを懸念してのリスクオフが先行しました。その後は株式市場が下げ止まったことからドル円ももみあいとなっていましたが、NY市場に入り強い経済指標とユーロが一段安となった動きから一時109.95レベルの高値をつけました。しかし、大台を前に利食いの売りも見られる中でダウが下げる動きとともに再度安値圏まで下押ししたものの引けにかけてはダウとともに値を戻す動きとなりました。

いっぽうユーロドルは欧州市場までは安値圏でのもみあいとなっていましたが、安値を割り込むとストップも巻き込みながら最近のユーロ売りの流れを継続することとなりました。NY市場ではユーロは一段安となり1.0786レベルの安値を付けた後もいったんは買い戻しも見られましたが、引けにかけては安値圏に近づいての引けとなりました。

ドル円は109円台後半の狭い値幅での取引が続いていますが、日本では消費増税の影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による消費低迷が鮮明になってきています。まさにテレビに映る観光地の様子通りなのですが、大規模なイベントの中止が続くことも一層冷え込みを招くと考えざるを得ません。その割には日本株も為替もまだまだ楽観的という印象です。昨日はドル建ての金価格も1600ドルを超えてきましたし、ドルインデックスも警戒水域の100に近づきつつあり、短期的にはいつドル売りの動きが出てもおかしくないと言えます。本日も戻り売り、110.00レベルをレジスタンスに109.65レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはもみあいを挟んでの下げを繰り返していますが、ドルインデックスがかなりの高水準になってきていることから、そろそろドル高牽制発言が出てくるのではという気がしてなりません。値幅観測的にも1.07台後半はいったん下げ止まりやすい水準となっています。本日はユーロドルはもみあい、ユーロ円は上値の重たい流れを考え、ユーロドルが1.0785〜1.0825、ユーロ円は118.50〜119.00とします。



配信日:2020年2月19日