デイリーレポート(2020年2月17日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は終日ほとんど動意が見られず、109.80前後でのもみあいに終止しました。株式市場は上値の重たい展開となっていましたが、為替市場ではリスクオフともならず、週明け月曜がNY市場が休場となることもあって積極的に動こうという参加者はいなかった様子でした。

いっぽうユーロドルも基本的には小動きなままで終わっていますが、NY市場に入り合評された小売売上高で前月の数字が下方修正されたことから、対ユーロで一時的にドル売りの動きが見られました。しかし、すぐに元の水準に戻して以降はドル円同様に同意薄のまま一週間を終えました。

ドル円は新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、グローバルな景気減速懸念が広がっていますが、今朝発表された本邦10〜12月期GDPは消費増税の影響もあり予想を大きく下回る年率6.3%のマイナス成長となりました。個人の消費の弱さは小売、外食の人たちと話していても明らかではあったものの、ここまで弱い数字であったことは株式市場参加者に大きな悪材料と取られていますが、いまのところ為替市場への影響は見られません。ただ、新型コロナウイルス感染拡大後の横浜を見に行っても明らかに人出は少なく、1〜3月期も期待はできない感じもします。当面はこれまでの株高に対する調整が続きやすいでしょうし、為替市場では着実に110円の大台が遠のく動きが見えてきそうです。本日も戻り売りを考え、109.95レベルをレジスタンスに109.60レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは上値は重たいものの下げ続けてきている動きへの警戒感もありますし、本日はNY市場が休みとなることもあって基本的にはもみあいを継続しやすい状況にあります。これまでの動きから若干上値が重たい流れを考え、ユーロドルが1.0820〜55、ユーロ円は118.85〜119.20とします。



配信日:2020年2月17日