デイリーレポート(2020年2月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では日経平均株価とともにダウ先物が夜間取引で上昇する動きに沿って109.97レベルの高値をつけました。しかし、110.00には売りがいることからその後は上下ともに動きにくい地合いのままNY市場入り。NY市場では欧州通貨売りの動きがドル買いとなり、引けにかけては110.00の大台をワンタッチしての高値引け。

いっぽうユーロドルはNY市場までは小動きとなっていましたが、EUと英国との交渉難航を懸念したポンド売りがユーロ売りとなり、ユーロドルは一時1.0964レベルの安値をつけました。昨夜は貿易面だけでなく金融面においても英国拠点の金融機関の打撃となるとの話も出てきて、今後の他分野での交渉において欧州通貨の上値を抑える要因となりそうです。

ドル円は、NY引け後に110.01までわずかに高値を切り上げましたが、110円の大台をしっかりとつけたことで逆に達成感も出たようです。また2015年からの長期レジスタンスラインが現状は110.00の大台と重なるところを下げている状況で、1月同様に2月もこのレジスタンスが意識されやすいでしょう。本日は今週の上げに対して週末前の利食いも出やすいでしょうから、すでに高値は見たと考え110.00レベルをレジスタンスに、109.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロはポンドとともに下げる動きとなりましたが、まだ英国が離脱して1週間しか経っていないにもかかわらず移行期間中に協議がまとまらない懸念が広がっています。EU側はもともと時間が短すぎるという見解でしたが、その懸念が現実のものになるのではないかという警戒感は今後も着実に広がっていくでしょう。時間切れリスクがある以上、最低限の目処が見えるようになるまではポンド売りが主流となるでしょうし、ユーロも引っ張られて下げやすくなります。本日は上値の重たい展開を予想し、ユーロドルが1.0960〜1.0995、ユーロ円は120.45〜85とします。



配信日:2020年2月7日