デイリーレポート(2020年2月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

昨日のドル円は東京市場では前日の上げの調整もあり若干上値が重たい流れが続いていました。欧州市場に入り中国で新型コロナウイルス治療薬開発というニュースが入り、株式市場とともにドル円も上昇し前日高値を上回った後も底堅い地合いが続き、NY市場では英国ではワクチン開発に進展とのニュースに株価が一段高、ドル円は108.95レベルまで上伸し高値圏での引けとなりました。
ユーロドルは東京市場では若干の動きはあったものの鈍い展開。欧州市場に入りドル円とともにドル買いの動きが目立ったことでユーロドルはじり安の流れを続け、NY市場では1.0994レベルまで水準を下げて安値圏での引けとなりました。またトランプ大統領弾劾裁判は無罪となりましたが、予想通りで反応は見られませんでした。

ドル円もユーロドルも昨日はドル買いが目立つ一日でしたが、新型コロナウイルスの治療薬にしてもワクチンにしても開発に進展があった程度で、ここまでのリスクオン姿勢に傾くことは違和感を感じざるを得ません。1月以降の動きを見ている限り、今後3月以降に発表される中国の経済指標の悪化は確実ですし、流動性供給にしても今後の景気刺激策の思惑にしてもそれだけ懸念があるゆえの対策であって、とてもリスクオン材料とは思えません。ドル円の長期レジスタンスも110円前後に下がってきていることを考えると、ここからの一段高ということとなれば大きく見通しを変えることにもなりそうです。いったん下げ方向の見通しは取り下げニュートラルなスタンスへ戻し、109.60レベルをサポートに109.99レベルをレジスタンスとする流れとします。

ユーロドルもドル高の影響から水準を下げてきましたが、対ユーロでのドル高は欧州におけるブレグジット移行期間の不透明感を考えるとまだ理解できます。これまでは主要3通貨ペアともに上値の重たい展開としていましたが、ユーロは引き続き上値が重く、ユーロ円はニュートラルから若干上値が重たいという流れへと軌道修正です。本日はユーロドルが1.0980〜1.1015、ユーロ円は120.65〜121.00とします。



配信日:2020年2月6日