デイリーレポート(2020年4月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前夜の原油価格がマイナスとなった動きにも影響無く、NY後場以降は仲値すぎまで狭い値幅でのもにあいを続けていました。11時過ぎに米国のTV局が相次いで北朝鮮の金正恩が重体、脳死かといったニュースを流し、それを受けリスクオフの動きから株安・円高の動きとなりました。欧州市場まで株価とともにじり安の展開を辿り、一時前日安値を割り込み107.28レベルの安値をつけましたがそこまで。NY市場に入ると日計り組の買い戻しに加え、ユーロに対ポンドを中心として全般に買いが入りユーロ円も上昇、その動きに引っ張られてNYの昼過ぎには107.89レベルの高値をつけたものの、上値も重く前日高値を抜けられないままやや押して引けました。

いっぽうユーロドルは東京前場に北朝鮮関連ニュースに反応してユーロ円が下げたことから、ユーロドルも引っ張られて売りが先行しました。その後、NY市場までは安値圏でのもみあいを続けていましたが、欧州市場から買いが目立っていたユーロポンドの動きがユーロ全般でのユーロ買いとなり、ユーロ円もユーロドルも東京朝方の水準に戻しての引けとなりました。

ドル円はここ一週間ほこ107円台前半の買いと108円の売りに挟まれて、上下はするものの値幅は狭く方向感がはっきりしない状態が続いています。北朝鮮のニュースについて中国は否定しているものの、2月頃から健康不安は言われていましたし、米国TV局もニュースソースを政府関係者としていたことから、生死をさまよっている状況というのは事実である可能性が高いように思えます。仮に死んでいたとしても今は世界中が新型コロナウイルスへの対応と、その後の景気回復で頭がいっぱいでしょうから影響は少ないのではないかと思います。しかし、中国のウイルス感染拡大への対応、そもそも人工的なウイルスの疑い等、中国が世界から距離を置かれる可能性が高まる可能性もあり、アジアの独裁体制が崩れていく前兆のようにも思えます。

それはまだ先の話ですが、目先は原油安がきっかけとなった株安がドル円の上値を抑えやすくなるという流れを考えています。本日も108円ではドル売りが多く残っていると見て、107.95レベルをレジスタンスに昨日の安値圏107.30レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは、株が大きく下げるようであればユーロ円の売りが上値を抑えるでしょうし、株式市場が落ち着いていれば基本的には最近のレンジの中での横ばいを継続する展開が考えられます。本日のところは引き続き株式市場の上値が重く、ユーロドルは横ばいで1.0830〜80、ユーロ円は上値の重たい流れを考え116.50〜117.10のレンジとします。



配信日:2020年4月22日