デイリーレポート(2020年4月10日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場までは全く動かずでしたが、NY市場に入りFRBがコロナショック後にジャンクとなった社債も購入して資金を供給するとの発表を受けてドル売りとなりました。これまでも流動性供給はコミットされていたものの、それでも調達が困難な企業はドルを買っていたと考えられ、資金市場に代わっての為替市場におけるドル買いはほぼ無くなってきたと言えそうです。ドル円は108.21レベルまで水準を下げ、引けにかけては108円台半ばに戻して引けました。

いっぽうユーロドルもNY市場までは動かず、NY市場におけるドル売りの動きから1.0952レベルの高値をつけ、やや押してのひけとなりました。欧州勢は本日から4連休となることもあって、基本的には大きくは動きにくい状況にあったと考えられます。

また注目のOPECプラスでは23%の削減(日量1000万バレル)でほぼ合意し、一時的に原油価格は上がったものの、今年に入ってからの需要の減少は3000万バレルに達していることを考えると、焼け石に水と考えられ引けにかけては前日安値を割り込むこととなりました。

ドル円は日々少しずつ水準を切り下げてきていますが、昨日のFRB発表後の動きを見ていると、米国以外の国でも同様に低格付けの企業によるドル買いが為替市場に残っていると見られ、その分は本来のドルの水準に比べて底上げされていると考えたほうがよさそうです。すぐには、解消されることは無い可能性はあるものの、今後情勢が改善してきた際にはドル売り材料が残っているという見方でいたほうがよさそうです。本日から欧州を中心にイースターの連休に入りますので、本日は大きくは動きにくいでしょう。108.70レベルをレジスタンスに108.20レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルをはじめ欧州通貨も本日と月曜は参加者も少なく動きは鈍くなってくるはずです。ただ、ニュースが入ってきたりすると、参加者が少ないため急な動きにつながるリスクもあるという点には注意が必要ですが、本来的にはニュースも限られるはずなので、狭い値幅でのもみあいになりやすいと見て、ユーロドルは1.0895〜1.0945、ユーロ円は118.20〜80のレンジとします。



配信日:2020年4月10日