デイリーレポート(2020年3月30日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前日の流れを継続してドル売りが先行、株価の上値が重たかったことも従来のリスクオフへとつながりドル安の流れを後押しすることとなりました。東京昼前には下げ止まり欧州市場序盤には買い戻しも見られましたが、109円台に戻すのがせいぜいでNY市場では改めてドル売りの動きが広がりました。経済指標もある程度わかってはいても予想より悪い数字となったことが売り材料となり107.75レベルまで下押し後も安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは東京市場ではドル売りからユーロ買いが先行していたものの、欧州市場に入り欧州株式市場の下げとともにユーロドルにも売りが入りました。NY市場ではドル売りの動きとなったことから一転買い戻しの動きとなり1.1147レベルまで上昇し高値圏での引けとなりました。

ドル円に限らず急速にドル売り直しが増えていますが、金曜のコメントにも書いたとおりで107円あたり(およそ3月中旬頃の水準)からドル調達としてのドル買いが続き、それが先週あたりでいったん落ち着いてきたことを考えると、四半期末前に通常のドル資金調達にして為替差損が生じない内に為替ポジションは解消しておこうと考えることが普通です。木曜以降はそうした動きが目立っていますが、引き続きドル売りが出やすい地合いは続きやすいでしょう。また日本では期末を控えた円買いが出るとすると今日が最終日となるでしょうから、そのあたりの動きにも注意したいところです。本日は108.20レベルをレジスタンスに107.20レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルも基本的に資金市場に代わるドル買い需要の要因が無くなったとすればニュートラルと考えられる3月中旬頃のユーロドルは1.12水準というところでしょうか。ただ、欧州におけるパンデミックや人と物の移動の大幅な制限が続いている状況を考えると現在の1.11台前半からの足取りは重たくなってくるのではないかと見ています。本日のユーロドルは1.1080レベルをサポートに1.1180レベルをレジスタンスに、またユーロ円は中立ながらもやや上値が重たい展開を考え、119.30〜120.30とします。



配信日:2020年3月30日