デイリーレポート(2020年3月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けの早朝市場では、新型コロナウイルスに対応するための米国景気対策に対して民主党の賛成が得られない状況に反応し、ダウ先物がストップ安、日経平均先物(シカゴGLOBEX)も瞬間安値15060円をつけました。

東京市場開始後は日銀とGPIFによる買い支えが功を奏し16000円台を回復という株式市場の動きに対して、為替市場では東京後場までドルが売られる展開となりました。基本的には先週末のドル買いの利食いが中心であったと考えられます。その後海外市場に移ってからは再びドル買いの動きに戻りNY昼ころは高値111.60と先週高値をわずかに更新後、FRBが無制限のQEを行うと発表したことからドル需給の緩和につながり、引けにかけてはやや押しての引けとなりました。

いっぽうユーロドルはNY市場まではドル円と歩調を揃えてドルの動きからユーロ買い後のユーロ売りという流れでNY市場入り。NY市場ではダウが買われる動きにユーロ円が反応しユーロ円での買いがユーロドルの買いにもつながりました。引けにかけてはドル円同様にドル買いが出たことからユーロ売り、そして引けはやや戻すという展開でした。

最近の動きは大きくはドル資金が逼迫していることによるドル買いがコンスタントに続くドル高の動きの中でFRBを中心とした中銀の金融政策がどのように出ているのかを見ているという展開です。FRBは既に金利をゼロとしている上にQEも制限としその購入範囲も保証付きMBS(ローン担保証券)にまで広げてきました。今後も出来得る限りの金融政策を総動員してくると考えられますが、それで市場が落ち着くのかどうか、日本のトイレットペーパーではありませんが、必要以上の調達による手元流動性を高める行為が市場全体の資金逼迫につながっているのではと思えなくもありません。

ここからの金融市場の動向を予想するというのも困難ですが、諸悪の根源である新型コロナウイルスの世界全体の日々の感染者数が増加から減少に転じるまでは、今のような不安が覆う状況は続くでしょうし、欧州が暖かくなれば(4月?)そうした不安も徐々に無くなっていくものと思います。異常な相場の中で、この動きをチャンスと捉えることも出来ますが、個人的にはギャンブルに参加するようなものだと思いますし、当面は休むも相場のスタンスでいるほうが賢明に思えます。

本日はややドルが売られる流れを想定し、参考レンジは以下の通りとします。
 ドル円  109.00〜111.11
 ユーロ  1.0700〜1.0900
 ユーロ円 118.40〜119.60



配信日:2020年3月24日