デイリーレポート(2020年3月4日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

前日の緊急G7のニュースで各国の協調、米国の大幅利下げが既に織り込んでいたこともあって株式市場も為替市場も様子見となってはいましたが、イベント前の調整によるドル売りが為替市場では目立ちました。これは米国の利下げは株式市場では好感されそうだが、為替市場では金利差縮小によりドル売りになりそうだという面が大きかったようです。NY市場に入り、米国が0.5%の緊急利下げを行うと、株式市場も反発は一時的でその後はじり安、為替市場は素直に金利差縮小で一時106.93レベルの安値をつけ上値が重たいままでの引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、NY市場まではドル円同様にユーロ円でのユーロ売りもあったため、ユーロドルとしては方向感は出ないものの上値が重たい流れが続きました。NY市場までは市場で米国利下げ後はこちらもドル売りで動き、ユーロドルは1.12台乗せを見ましたが、引けにかけては再びユーロ円の売りが上値を抑え、やや押しての引けとなっています。

ドル円は金利差縮小によるドル売りがベースにありますが、10年債利回りは1%を割り込み更なる利下げを催促するような動きとなっています。またこれまで同様に安産資産として米国債を買う動きも出ていて、金価格も上昇、株式市場も噂で買って事実で売るパターンとなっています。スーパーチューズデイは、ブティジェッジ氏が撤退したことで、サンダース、バイデンどちらの候補が指名を取ってもトランプ大統領が優勢という流れに変化は無さそうで、このあと大勢が判明しても大きな影響はないものと見ています。本日以降も株式市場の様子も見ながらドル円は上値の重たい展開が続くと見られ、本日は107.60レベルをレジスタンスに106.90レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルもドル売りの流れとなっていますが、欧州も日本も金融政策では米国と協調が困難な中で、欧州のほうが財政出動の可能性が高く、その点ではユーロドルでのユーロ買いのほうが良さそうにも思えますが、少なくともここまではドル円に比べて緩やかな動きです。本日はユーロドルは底堅い動き、ユーロ円はもみあいを考え、ユーロドルが1.1140〜1.1200、ユーロ円は119.50〜120.10のレンジとします。



配信日:2020年3月4日