デイリーレポート(2020年2月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場から中国内のコロナウイルス感染者大幅拡大や日本でも着実に感染が広がっていることを嫌気したリスクオフの動きによる円買いの動きが目立ちました。欧州市場では株が一段安となる動きとともに一時109.61レベルの安値をつけましたが、その後は109.80前後で動意薄のまま一日を終えています。

いっぽうユーロドルは、東京市場では動きは見られなかったものの欧州市場に入りポンド買いの動きに引っ張られ一時的に上昇しました。しかし、円買いの動きがユーロ円でも見られたことや、前日までの経済指標の悪さやドイツの政局流動化を懸念した動きもあてえ引けにかけてはじり安となり、1.0833レベルまで下げた後にやや戻して引けました。

ドル円は新型コロナウイルスの感染者拡大が、これまでの楽観によるリスクオンの動きに対する調整要因となっています。これまでも出口が見えない感染者拡大が続いていたにも関わらず、理由の無い懸念後退がリスクオンに市場を傾かせていたように思います。過去のSARSや現在の状況を冷静に判断するならば、冬の間は安心できないというのが冷静な判断かと思います。テクニカルに110円の大台から反落してきたことも考えるとドル円は戻り売り、109.95レベルをレジスタンスに109.55レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは好材料が見当たらず、ポンドの上げもユーロポンド売りのきっかけになってしまっています。安すぎるユーロはドル高牽制に繋がりそうな点だけは引っかかりますが、基本的には戻り売りを考えざるを得ないでしょう。本日も上値が重たい動きを考え、ユーロドルが1.0815〜60、ユーロ円は118.75〜119.25とします。



配信日:2020年2月14日