デイリーレポート(2020年2月13日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は欧州市場までは底堅いものの目立った動きは見られませんでしたが、欧州市場に入り株価指数先物が上昇する動きとともにリスクオンとなりました。先週高値を上抜けると仕掛け的なドル買いも加わり一時110.14レベルの高値をつけましたが、すぐに失速し買われる前に水準に押してNY市場入り。NY市場ではユーロドルの下げとともに改めてドル買いの動きとなり、高値圏に近づいての引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、東京市場では動かず欧州市場序盤の株高でユーロ円にも買いが入ったことから一時的に上昇する動きが見られましたが、欧州の経済指標の弱さやドイツの政局が不透明となってきたことを嫌気して売りが強まりました。NY市場では昨年安値を割り込んだことから一段安となり1.0865レベルまで下値を広げて安値圏での引けとなりました。

ドル円は再び110円に乗せて来たものの朝方に発表された中国の新型コロナウイルス感染者が急拡大したことを受け109.80レベルまで急反落した後にやや戻す動きとなっています。ユーロはブレグジット問題に加え、欧州内の経済、政治が悪材料となっていますが、ドル円では積極的に円を売る材料もないことや、感染者拡大懸念がある中での株式市場の妙な楽観がリスクオンの動きとなっていますが、どうもこの動きは気になって仕方ありません。ドルインデックスも高いことから、’どこかでハシゴを外されるのではないかというドル高懸念もあり、引き続き戻り売りを考えたいところです。本日は110.05レベルをレジスタンスに109.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは昨年安値を割り込んできたことでテクニカルにも一段安が考えられますが、上述の通りでドルインデックスは98.93まで上昇し、昨年高値の99.33にかなり近づいてきました。そろそろドル高牽制発言が出てきてもおかしくはない水準ですが、欧州の材料がいろいろと悪すぎるということもあり、ドル売りの動きが欧州通貨でなくドル円で出てくるということもあるかもしれません。いじれにしてもごく短期的には現在のドル高には要警戒です。本日は上値が重たいながらももみあいを考え、ユーロドルが1.0850〜90、ユーロ円は119.30〜75とします。



配信日:2020年2月13日