デイリーレポート(2020年2月5日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

昨日のドル円は株式市場とともに大きくリスクオフの巻き返しが目立つ一日となりました。中国市場では人民銀行が前日の市場再開とともに流動性供給を行いましたが、加えて金融緩和や財政出動にも動くであろうとの思惑から株式市場が上昇、NY市場ではNASDAQが史上最高値更新となり、ドル円も109.55レベルまで上伸し高値引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、対ドルではドル円同様にドル買いユーロ売りとなったものんお、ユーロ円でも円安に大きく動いたことから緩やかな下落にとどまりました。ユーロ円はNY市場で高値120.98とドル円同様にリスクオフの巻き返しによる買いが目立ちました。

ドル円は、リスクオフの巻き返しという動きは理解できるものの、新型コロナウイルスの感染者拡大が続く中で、中国による景気刺激策に期待しての株高は行き過ぎとしか思えません。1月そしておそらくは2月も大幅に中国発の景気減速が懸念される中で、そうした数字を見るのは3月以降となるでしょうが、可能性が高いリスク材料を抱えている中でここまで楽観で進むのは理解に苦しみます。

少なくとも為替市場では、いまだドル円の110円の大台は近くて遠く、また年初来の高値110.29と1月末安値の108.31の61.8%戻しが109.53と昨夜の高値とほぼ一致していることも、いったん目先の買い戻しは終わったのではないかと思わせます。本日は昨夜の上げに対する調整の下げを想定し、109.55レベルをレジスタンスに109.15レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはドル買いの動きをユーロ円の動きが相殺して緩やかな下げとなりましたが、ユーロドルに関しては妥当な動きであると思います。しかし、ユーロ円についてはドル円同様に行き過ぎと見ていますので、本日はユーロドルは横ばい、ユーロ円は調整の下げを考えたいところです。ユーロドルが1.1015〜50、ユーロ円は120.50〜120.90とします。



配信日:2020年2月5日